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必然の台風の中で

[2018.07.29]

進路が通常と異なる想定不可能の台風…

昨日からの気象庁の予報もなんのその、

予定通りの引渡しとなった。

外溝工事など細かな工事は残ってはいるが、写真作成のための器具の搬入を来週には終えねばならず、可能なら保健所の審査等々、予定は目白押し。

強行の引渡し…と思いきや??

治代さん夫妻、内田建設渡部さんと総括を聞きながら部屋をめぐるなか、外の風雨はだんだん強くなる。と、時に「お父様が心配していた排水の件…」「お父様が何回か確認された軒下の…」そんなフレーズが時折盛り込まれる。

そう、去年の今ごろ、治代さん中心に図面を作り上げるなか、わが父、50年かの地に住んだ経験とゼネコン勤務歴からの昔の知識のままで、やたらと激しい風雨に耐えうる構造か心配しきり。「土地所有者なんだから立ち会わせなきゃ」という私の考えがまずかった?娘の事業計画を成功させたい親心もわからなくはないが、その度に設計は足止めくらい白崎夫妻の懸命な安心説明…最後には何社か業者への見積もり依頼もできないのでは…??そんなことに悩まされていたのが、花火大会の声聞こえた今の時期だったはず。

最終的には父は何となく理解した?状況で今に至るわけだが、まあ、なんと!!まさに今日の雨風は引き渡しには必然の風雨となったみたい。被害もたくさんでてはいるからのんきなこといってる場合ではないが。

これじゃまるでデパートの「切れ味最高ですよ~」の包丁の実演販売か、はたまた、「100人乗っても大丈夫~」でお馴染みのどこぞのメーカーの物置の宣伝さながら。

出来上がった建物に実験施すごとくの台風の風雨とくりゃ、去年の父の心配事項がクリアに。「去年のあの苦労は何だったんだろね?魔法の鏡があるならば今日の風雨にさらされたクリニックを去年の今ごろの父に見せてあげたいよ」そんな気持ちになる。

でもこうした地道な、完成に至るまでの、みんなの日々の苦労や努力、一枚の契約書なんかを超えた顧客や建物への白崎夫妻、渡部さんはじめ内田建設の気持ちが伝わってくる引き渡しの一日であった。

無事引渡しが終わり、それも思った以上素敵な仕上がりの建物に喜ばなければいけないのに、なんか一抹の淋しさも?変なの…今までの、とりあえずの目標がクリアされて、先に行くのが不安になってるのかな?なんか不思議な気分。

待ち合い。座蒲団つけなきゃ。このままでも座り心地よいのは建築士の心憎い細工があるから。

受付内部から。お花も頂いて。

階段の中途の細長い窓は治代さんのこだわり。今満開の百日紅が雨に濡れて。

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