歯周病と内科疾患~コロナまで~
「今日自転車どうしよう?花粉飛ぶかな?電車だとマスクかぶれが痒いし…」 最近、朝、出がけに花粉覚悟の自転車か、はたまたマスクかぶれに悩みながらの電車通勤か、究極の自問自答で玄関出た直後の直感でその日の、自宅からクリニックまでの交通手段を選ぶ毎日…今週は断然、自転車が多かった。朝陽に輝きを放ちながらはらはら舞い散る桜吹雪が通勤の伴走の日々だったから。いわさきちひろの世界のような光景を何度となく目にした、素敵な通勤。片道1 時間半の自転車も苦にもならず…
今週のクリニックは…年度末の静けさと年度初めのバタバタ感、そこに発熱相談…なんだかイロイロな様相を呈していた感あり。疾患も多岐にわたり、消化器のみならず、循環器やらリウマチやら、生活習慣病の相談に花粉症、いつもの常連さん…でも、興味深い法則発見…世間がコロナでざわつき始めると、こんなちっちゃな町のクリニックでも、やはり、問い合わせは増える。ちゃんと世相に乗っかっているんだわ。ちいさいながらで、小回り利く医療をやっていくしかないですね。
「ネタがない!」と今回の題材探していたら…昨日、ちょっと役に立つ話しを聞いたので、その話題ね。昨日の午後、勤務終えてから、半年ぶりに歯科へ。昔勤務していたクリニックの歯科にその先生はバイトにきていて、その時からお世話になってる。私の歯の隅々までわかってくれているので(私は歯についてはあまり丈夫じゃないし)その先生が地元で開業するとなっても追っかけて通っているわけ。私が開業したこともご存知なので、何となく情報交換もする。色々教えていただくこともあり…
点検終わり、「先生は歯周病ないから、そこは心配ないですね」と。そこで私が「そういえば、歯周病が原因で肺化膿症おこした患者さんがうちの外来でもいましたよ…他にも歯周病絡みで起きる内科疾患あるから、侮れないですよね」と、話したところ、先生曰く「コロナも歯周病がある人の方がない人より重症化するって論文があって、国会でも取り上げられていましたよ」と、教えてくれました。へぇ~国会でも…私はこのことは、知らなかったので、ちょっと帰りの道中、調べてみました。
昨年七月にイギリスの医学雑誌に公開された論文によると新型コロナで死亡したり重症化したケースは、歯周病菌が大量に、見つかったと言うのだ。歯周病がインフルエンザの感染リスクを高めることをはじめ、歯周病がウイルスや細菌の感染リスクを高めることは、研究者には常識だそうで、100年前のスペイン風邪のころから実証されているらしい。一方、子供がコロナに感染しずらく重症化しずらいのも子供にはほとんど歯周病がないからと。
歯周病は世界中で一番罹患者がおおいとギネスブックにものるほとの、メジャーな病気。年齢を重ねると増加し、日本人の八割は罹患していると言われる、歯と歯肉の間にばい菌が繁殖して起きる。免疫力が正常なら多少の歯周病でも問題はないが、免疫力が低下した状態になると、これらの細菌が暴走仕出して、サイトカンストームをおこし、体中の臓器に障害を及ぼしていく。適切な口腔ケアが大切。(口腔ケア怠足るざるを得ない、避難所で誤嚥性肺炎のお年寄りが増えたことは、3.11など記憶に新しい…)歯磨きはもちろん、フロスや歯間ブラシはマストアイテム。電動歯ブラシだといかにも磨いているような気がしてくるけど、これに加えて歯間ブラシも使わなきゃダメって。歯間ブラシ当てたとき、血がにじむのは要注意。歯肉炎おこしている可能性ありだからね。それでもやっていいんですって。そのうち歯肉炎が回復すればでなくなるからって。
「マスク、手荒い、うがい」にくわえて、「口腔ケア」もね!