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誤嚥性肺炎と食事事情

[2023.06.18]

梅雨の晴れ間がうれしい今週末。先日の誤嚥性肺炎で急患即入院となったわが御父、無事退院。なので今日の父の日も「ぼっちちの日」にならずに済みました。 

先週早々に「血液データも改善しているから退院でよい」と担当医から連絡があった。年齢的にもせん妄が起きないうちに…の配慮もあってのことだろう。「食事も完食してますしね…」 そういわれて、はたと困った私。 刻みなど、誤嚥しにくい食事が提供されていると聞いている。退院したその日から困ってしまう。「誤嚥性肺炎は繰り返しやすいから退院後の半年が肝」と学んだ私は「食事はどうすればよいでしょう?」尋ねた。 「普通食でも誤嚥しない人はしないし、刻みやミキサー食でも誤嚥する人はしちゃうんですよ。宅配もあるけど、それより嚥下機能のリハビリをした方がよいですよ」とのことだった。なるほど… かつて私が在宅のバイトをした際、胃瘻から栄養を得ている患者さんも誤嚥していた。ミキサー食など、形がない食事では食欲がわかなかったり、唾液の分泌も低下すれば、かえって誤嚥に繋がってしまう。また、咀嚼することは認知症予防にもつながる。「退院後食事…」 困った私に、ちゃんと退院時栄養士さんから食事指導がありました。 仕事しながらなので、すべてを実行はできないけれど、「咀嚼はできるけど嚥下機能が低下している」という父向けに栄養士さんからのアドバイス、まとめてみました。

唾液も分泌され食事が楽しくなるよう、形ある柔らかい食事=「5mmくらいに刻んでとろみをつけてまとまりやすい食事」を提供していたので退院後もそれを継続するように。 具体的には…     ●食べないほうがよいもの・・・さらさらした液体、ぱさぱさしたもの(きなこ、ビスケット、 ふりかけ)張り付きやすいもの(のりやワカメ)                     ●飲み込みやすくするために適度な水分を・・・野菜や肉は炒め物より柔らかく煮込んだものがベター。一口大で。                                   ●つなぎ、とろみで柔らかく・・・何故液体がダメかといえば、飲み込むとき、スピードが早すぎることが誤嚥につながるから。片栗粉でもよいけど、もっと使いやすい、デキストリンを主成分とした、市販の「とろみ調整食品」を利用して食事をまとまりやすくする。水で溶いてまぶすと味が薄まりまずくなるから、だしで溶くのも一法。また、マヨネーズやカレーのルーなど、元々とろみのあるものを利用する                                    今のところ、できる限りやっているけど、食事自体、市販のもの購入スタイルは変わらない。選ぶときは「あんかけ」みたいなとろみのある惣菜を選んだり、タレにとろみをつけたり、工夫してます。刻んだり、おかゆつくったりの手間はあるけど、なんとかやってます。 困ったことは、お粥をはじめ、刻むと「かさ増し」 でお腹いっぱいになってしまうこと。これには、ウイダーインゼリーみたいなものでカロリー補ってます。  また、食事の際、「ながら食はダメ」「前を向いて足をしっかりつけて、少し前屈み気味の方がむせ予防になる」「食後2時間くらいは寝ない」「口腔ケア」 こういったことも誤嚥防止になります。

さて退院後の父、私がトロミトロミとやってたら、「いつまでこういう食事?オトウチャマはとろみ男じゃない!」 ですって。そのくせ、「オトウチャマは何て言う病気で入院したの?またなるのかな?」 中々覚えられず何度も尋ね、「誤炎肺炎?こういう字?」と聞いてくる。覚えられない父に、私は顔の前に手の平かざして「5円と覚えて。字は誤嚥ってこういう字。誤嚥とご縁があっちゃダメよ。特に半年が勝負!」 オヤジギャグがわかり、笑う余裕は出てきたみたい。 「半年で死んじゃうの?」 心配そうな顔するから「入院いやでしょ?みんなじゃないけど、半年以内は繰り返しやすいから気をつけなきゃ。データだけど。 そうならないように食事も気をつけて頑張ってこうよ。 ロシアや中国情勢も気になるでしょ?ダンスや歌だってまだまだできるし。クリニックに草むしりにも来てもらわなきゃ」 「そうだね…」  高齢者の食べる楽しみは失せさせず、生きる意欲があるならば応援したい。父の日に寄せて考える…。  「ちいっと飲みたいな…」 そうね…父の日だしね。 差し出した日本酒…わからないようにそーっと「とろみ」つけて…「はいどうぞ!」…

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