夏を乗り切る我が家のメニュー 冷や汁 猫まんまじゃないレシピ
世界的な異常気象に国連事務総長も「地球が沸騰する時代の到来」と危機的状態を宣言するほどの、地球規模の猛暑。一日が終わると「今日も何とか生き延びた…」 今年の夏は日々送るにも必死な感じすらして来る… でも…賑やかな蝉の声に、照り付ける太陽、真っ青な空… 堪能しすぎる夏の景色を見ながらふと、考える。「もしかして、この夏が思い出となるような最期の夏だとしたら?」 同居の父も91歳。この暑さもさることながら、相変わらずの誤嚥性咳。自分の唾液ですらむせてしまうのだから、体力消耗も甚だしい。「食べんと力つかないから…」 「喉のリハビリも…」とりあえず元気をふるまい、前向きに頑張ってるけれど、何となく全体のシルエットが細くなっているような気がする。 「こうやって家族がいる夏も最後かも知れない…」 縁起でもないかもしれないけど、一方でそういう覚悟も必要と感じている私には、記憶に残るほどのこの暑さと頑張って生きてる父の姿と、「夏の思い出」という一枚の反物の、複雑な模様を呈する横糸と縦糸のよう。
さて明日で7月も終わるけど、まだまだ続く夏を乗り越えるために… 暑い夏には母がよく作ってくれていたメニューをご紹介。 それぞれ家庭ごと、「夏を乗り」メニューは存在するとは思うけど、金丸家では「冷や汁」。後でルーツも紹介するけど、宮崎の郷土料理。江戸っ子の母はおそらく宮崎の私の祖母から伝授してもらったのだろう。今では宮崎県のアンテナショップに「冷や汁の素」とかが売られていて知名度も上がったけど、冷や飯や麦飯にかけて食べるのが殊更お勧めの、「ご飯にかける万能栄養食」。暑い夏でもさらさら入るから、お勧めです! 早速以下に紹介。(母はすり鉢でちゃんと煮干しを細かく潰していたけど、簡単に時短レシピで。金丸家流なので手ぬきもあるかも。
<下準備>
①なす 1本 いちょう切り(厚さ1cm) ②煮干し(イワシ) 一握り
はさみで細かく切って、少し焦げるまで煎る。オーブントースターでも可。
母はすり鉢で細かくして、このあとのすべての具材をすり鉢に投入していたけど。
③木綿豆腐 1丁
鍋やすり鉢に入れる時、軽くにぎりながらつぶす。
④きゅうり
1本 輪切り(厚さ5mmくらい)
⑤ミョウガ 2つくらい 半月切り(1~2mm)
⑥オオバ 5枚くらい 一つに重ねて、巻き、小口切りっぽく刻む。
⑦細ねぎ 20cm 小口切り(1cm)
<調味料>
煎りゴマ大さじ 練りゴマ 大さじ 1.5
味噌(合わせ) 大さじ 5
ピーナッツバター 大さじ 1.5 絶対外せない。できれば粒入り
唐辛子(一味でも可) 1つ 微塵切り
<調理方法>
1) 鍋に水1L+なすを入れて、一煮立ち。
2) 細かくした煮干しを鍋に入れる。 すり鉢なら、茄子をお湯とともに投入。
3) 煎りゴマ+練りゴマ+味噌+ピーナッツバター、唐辛子を、鍋(すり鉢)
に投入。
4) 味見。後で、野菜+豆腐が入るので、少し濃い目がGood。
足りない場合は、味噌を追加。
5) みょうが+野菜+豆腐+きゅうりを鍋に入れて、一煮立ち。
6) オオバ+細ねぎを鍋に入れて、かき混ぜれば完成。
炊きたてほくほくの白飯よりも、炊飯器に残った昨日の固めのご飯のうえにか
けて食べた方がおいしいくらい。 火もそんなに使わず、材料を用意して投入する
だけだから簡単。 それもそのはず。ちょっとルーツを調べればなるほど。
以下に「冷や汁」で検索した、農水省のホームページより。
「冷や汁」は、即席のかけ汁で宮崎県の平野部を中心とする郷土料理である。
近年は、食文化の情報が広がるにつれて県内に広がり、暑く湿気の多い宮
崎県の気候風土の中で根づいていった。自然豊かで山の幸、海の幸に恵ま
れ黒潮に面した日向灘で採れる新鮮で豊富な魚介類、太陽の恵みを受けた
野菜や作物など、美味しい食材の持ち味を生かした食べ方が「冷や汁」である。
農民たちが暑い夏に、麦飯に生味噌をのせ、それに水をかけて食べていことが
元になっているといわれている。麦飯のほうも、かつては、丸のままの大麦を
いったん炊いてから、水を加えてふやけさせ、それをもう一度炊き上げたもの
であったらしい。山地の多い宮崎県の農民たちにとって、藩政時代には
、米はきわめて貴重なものだったことがうかがえる。
かつて農民が夏の重労働をおこなう際、時間や食欲のない時でも充分な栄養補給や体力回復のために、簡単に食べられる生活の知恵として伝承されてきた料理である。近年は少なくなったが、農家や旧家などでお盆に親戚一同が会した時、宴席の締めに食されることが多かった。
さて、補足。我が家のレシピの「ピーナッツバター」は、絶対外せない。私が小さいころ、好んで朝食のパンに塗っていた粒入りのピーナッツバター。「胡麻も入れるのだから似たようなものだし、より栄養価を高く」との親心から始まったのかも知れないけど、これの投入でコクが全然違うの。粒の食感心地好い。あと、みょうがを多めに入れるのも良いかも。要するにお好みでアレンジ自在。 お試しあれ!