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大人のRSウィルス感染症

[2024.04.14]

今日が桜の見納め? 咲きはじめてから、今年は「あーっ」て叫びたくなるような風雨もあったけど、まさに風雪にも堪え、今日もなんとか、桜吹雪の中、帰宅できそう‥。そういえば2週間前に桜が咲きはじめた頃、みとれてスマホ出した途端、落とし物をしてしまい‥それも、どこぞの紳士(らしい)が、届けてくれて無事見つかり、警察から連絡ありほっ。 それも今シーズンの桜に纏わるエピソードのひとつ。 平和な日本‥。 さて、クリニック、花粉症も発熱も落ち着き日曜日外来も少しノンビリ。 今日は上記ウィルス感染とワクチンについて。 昨年の今頃は、都内、どこの市区町村が帯状疱疹ワクチンの助成を開始してくれたとか、そんな話が話題だったけど、また、注目すべきウィルスワクチンの話が出てきています。新しいワクチンで、今後の動向を見守りたいような内容ですが。

帯状疱疹ワクチンも、罹患するとその後の生活の質を下げるから(特に高齢者)、予防できるものはしましょう…ワクチン接種が進められているけれど、RSウィルス感染予防は高齢者にとって、同様、もしくはそれ以上に大切かも。

まず、このウィルス。子供の頃から何度も感染するようなありふれた風邪のウィルス。2歳までには100%罹患すると言われ、成人の場合は大多数は軽く、10日くらいで回復するようなもの。1歳未満の子供は重症化し易く、抗原検査キットも陽性になり安いため保険診療での検査が認められている。そもそも大人はかかっても対処療法で回復するから、何回感染したかもわからないし感染と共に抗体ができるわけでもない。だから普段ちょっと風邪引いたかな? 何て言う時、このウイルス感染だったこともきっとあるはず。 「じゃ、何でこにウイルス感染がそんなに問題なの?」ってことだけど。 60歳以上の高齢者、喘息、肺気腫など肺疾患のみならず糖尿病や心臓に基礎疾患があったり免疫低下している人がかかると肺炎など、重症化しやすい。逆に肺疾患じたいがウイルス感染で重症化することも。成人の感染同定に限界があるのでバイアスがかかったデータであることを考慮しても、60歳以上のインフル、RSウイルス感染で入院した人では、RSウイルスのほうが肺炎になりやすかったり、また、別の解析データでは入院日数もインフルの倍(15日対30日)。また、一年以内の死亡もRSウイルスが25.6%、インフル18.9%。こういった解析データもさることながら、今回私が講演聞いていて印象に残ったのは、「入院して回復しても元通りにはなりにくい」というリスクが、感染重症化しやすい人にはもれなくついてくるという実症例の提示だった。 実際話しにあがっていたのは80台の男性。基礎疾患有無は忘れたけど、とにかく入院前は独歩可能、生活も自立していた。風邪こじらしたところから肺炎になり入院。入院中にRSウイルスが、原因だったこと判明しつつ、対症療法で回復。21日間の入院。やれやれと思いきや‥退院後はすっかり筋力も落ち、介助なしでは外出もままならなくなってしまった‥。 おそらく要支援レベルから要介護‥この例からもわかるように(話しは飛躍するけど) 要するに、高齢化の日本において、よくあるRSウイルス感染でひとたび入院しようものなら、先には要介護者の増加も予想され、様々な面での社会的な生産性の低下や喪失にもつながる。  予防は飛沫や接触で感染するから、例えば孫の世話をする高齢者は気をつけて、マスクや手荒い。 で、更なる予防法として今年からRSワクチンが登場した。まだ、自費での接種だけど。  今日はここまで。ワクチンの話しはまた続く。

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