歯科衛生日に。口腔内細菌と消化器疾患
金曜日は風雨激しく、夜中にけたたましく鳴り響いた土砂崩れ警戒のアラームには驚いた~ 最近、日本各地、地震(今日も診療中にあり、瞬間、患者さんと一固まり…)多いし、これからの梅雨シーズン、自然災害が起きないことを祈るのみです。いくら備ええても、「観測史上初…」のフレーズ連発では備えようもないけど… でも「備えれば利あり」の体の話を、今日は6月4日、「虫歯の予防デー」に因んで。
口腔内には微少なものまで含めると1000種類以上存在すると言われており、口腔も消化管とするなら、数の多さは大腸に次いでとなり、人の体は入口と出口は細菌だらけということになる。以前は口腔内細菌は虫歯や歯肉炎等、いわゆる「口の中でのトラブルの原因」として捉えられていたけれど、昨今では全身の多種の疾患のトラブルメーカーとなっていることがわかってきた。誤嚥性肺炎や心筋炎は直接的な移行と、イメージもつきやすいけど、関節リウマチや非アルコール性脂肪肝、早産等産科トラブル。これらは口腔内細菌の産生したサイトカインやケミカルメヂディエーターがが血中に移行しすることが関与、さらに、食道がんや大腸がんの発癌に原因のひとつとして口腔内細菌が絡んでいることもわかってきた。食道がんについては12万人の10年間の追跡調査で、歯周病と強く関連する菌が発癌リスクと関連していることが報告されていて、口腔衛生がこの発癌予防につながる可能性があるとしている。さらには大腸がん患者さんの唾液から4割以上の患者さんで、歯周病菌と同一株が検出された報告がある。歯周病になると口腔でフソバクテリウム、ポルフィノモナスというような菌が増加し、これが唾液の嚥下で血中から大腸に到達し、これらの菌から放出される毒素や代謝産物から放出されたサイトカインがDNAの損傷などをおこし、大腸での発癌となるとのことらしい。
口腔内の衛生で、これら疾患の予防にも関与するなら、それだけが原因ではないけど「備えあれば利あり」ですね。ちなみに歯ブラシでの歯磨きでは、歯間の歯垢は60%しか除去できず、やはり歯間ブラシやフロスは必要で、これらの適切使用でやっと90%の除去となるようです。 私の歯科主治医も「口に合ったフロスや歯間ブラシ使用はマスト」とつい、最近受診した折りにも話されてました。
今日は23時45分にやっと更新終了。虫歯の日の今日中の更新間に合った!じゃなきゃ今日にかんしては意味ないものね…本日の仕事終了。今日の外来はワクチンと外来…意外に多忙だったけど、みんなで協力して乗り切りました!雨降りでなくて、ワクチンの来院者も来やすくて、よかった!金曜日みたいじゃ大変だったところ。
更新間に合い、よかった。日曜が虫歯の日なんて次は一体いつだろう…?そもそもその頃私は開業しているのかしら…