もう6月も終わりに。あっという間に１年も半分、折り返し。週末が好天に恵まれると、昼間の時間が長い今の季節は、なんだか得をした気分。　ほぼほぼコロナ前と同じ生活は戻っている昨今だけど、今日の日曜外来は久しぶりの発熱患者さんの急患受診希望で一杯に。コロナが５類になって以来の増加。ここのところの休日は、他医療機関が休診日であっても発熱受診希望者はぽつりぽつりだった。が、今朝は診療開始前から頻繁な電話。今は公費での検査ではないから、本人希望も含めての検査だが、陽性率は8割ちかく。過去の例からは、こんな小さなクリニックでの陽性率でも、都の感染状況とドハマリ。よって、今は定点報告だし、それも任意の検査の中でのことだから、メディアの報告じたいどんぶり勘定の感は否めないけれど、今日の感覚からは、コロナも急増していることは間違いなし。いらした患者さんも高熱で咽頭痛。熱はあっても、重症感はなく若い人が多い。　発熱患者さんの多さに久しぶりに度肝をぬかされた本日の外来でした。これから急増の兆し？

さて、先週にひき続き、父の誤嚥性肺炎の経過にちなんだ話しを。｢刻みとろみ食｣も慣れて食べている。食欲が健康のパラメーターである父なので、食欲あることが、血液や画像の改善を物語ってくれている。誤嚥性肺炎の対策で、口腔ケアも大切なことは前回blogでもさらっと書きましたが、虫歯や歯周病予防で雑菌の誤嚥を防ぐだけでなく、口腔機能低下を防ぐことも大切。｢口腔機能低下症｣という保険病名が2018年に新しく導入されたとのことなので、高齢化社会を反映しているのかも知れません。既に75歳以上の7割が噛みにくさを訴えており、自然、柔らかいものしか食べなくなると、噛む力、筋力も低下すれば、唾液分泌もおち、滑舌も悪くなり話す力も弱くなる。話すのが億劫になれば、外出の機会も減りかねず、噛む力の低下は生活意欲の低下、更に認知症にもつながるし、悪循環のスパイラル。つまり口腔機能低下を防ぐことは、全身の健康維持のためにも大切。いま、｢口腔機能リハビリ｣を専門とした外来も増えているようだけど（早速わが御父も明日受診予定）家でも簡単に出来るトレーニングとして｢長生きうがい｣というのが健康情報誌に出ていたのでここにのっけます。うがいじたいが、口腔内と喉の連携が必要な動きだそうで、意識的に行うと、頬の内側や舌、喉の奥まで刺激して、効果をはっきするとのこと。｢ぶくぶくうがい｣　いつものぶくぶくうがいを両頬の筋肉を意識して10秒くらい、片頬ずつ行うことも加えて行うことで飲み込み預かる筋肉等が鍛えられるそう。また｢ガラガラうがい｣　水を含んで上向きに音を立ててガラガラとうがいしてはきだす。できなければ少しずつからはじめて10秒くらい。声帯や咽頭の筋肉が鍛えられると。この、ガラガラうがい、上を向いても水をこぼれないようにする複雑な口内の運動だそうで、誤嚥の防止となるトレーニングだそう

6月も、もうすぐおしまい。なんだか｢超高齢者のケア｣について考えた月だったような。今回はたまたま同居していたから｢咳がいつもより多いな｣｢食欲ないみたい｣　ほぼほぼ日中は顔合わせることなくても、何とか異変に気がついて対応できたから良かったけど、離れて暮らしていたら電話で安否確認するにせよ、電話中に咳しなきゃわかんないし、食欲低下も、あの年齢じゃ自分じゃ言わず、｢熱中症かも｣なんて考えがち。　気がつかず急速に悪化して、死に至っても｢脱水｣｢老衰｣ということで｢91まで頑張ったね…｣天寿まっとう!　で終わってたかも知れない。世間一般の｢老衰｣でかたずく高齢者の人生の終わりも、こう言った誤嚥性肺炎や心不全が原因の脱水や低栄養なのだろう。運が良かった父。私も身内をの｢誤嚥性肺炎｣から、超高齢者の食事を含めたケアについて多く学ぶ良い機会だった。正直、仕事しながらの超高齢者との同居は徐々にしんどくなっている。身内も｢もう頑張ったし老人ホームも考えたら｣と、私の体力を心配してくれる。でも、父は｢あんたの負担になっちゃいかん｣とはいいながらも、今の自由気ままな生活がいいみたい。今回の件で、私も再考したけど…　退院のとき、本人知らぬようにソーッと病室を見に行ったとき、カーテンの下からみえる父の足には既に運動靴。うろうろいったり来たり。｢退院が嬉しいみたいでずっと落ち着かずそわそわしてまってらしたんですよ｣看護師さんも笑ってたっけ。　今日は今日で、仕事上がりに声楽レッスンで横浜に行けば、私の前にちゃんとレッスンに来ている。｢歌うと元気になります｣とニコニコ。指導してくださる先生にも大感謝。｢音が楽しいから音楽｣が、先生のお言葉。　やはり、もう少し頑張って同居するのがいいのかな？　それが私自身が後悔のない選択なのだろう。　　　　　ところで、今度の土曜～来週火曜日は早めに夏休みとります。変わりといってはなんですが、お盆時期は通常に診療します。父も身内にお願いしてちょっと出かけます。すみません。